習慣が1日できなかったら、どうなるのか
研究によれば、ほとんど何も起きません。よく知られた「66日」のもとになった研究では、1日できなかったことは進み具合をほとんど遅らせず、長く残る影響もありませんでした。大事なのはその後です。できなかった1日そのものにはほぼ損失がないのに、連続記録が途切れたことで、やめてしまう人がいるのです。
研究でわかったこと
2010年のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究では、参加者が毎日の行動をできなかったのは合計140回でした。できなかった日の翌日には、習慣の自動性の感じ方が約0.29ポイント下がり、できなかった日をはさんだ伸び(0.55ポイント)は、できなかった日のない3日間の伸び(0.79)より小さくなりました。しかし長期的な損失はなく、12週間のうちいつできなかったかによる違いもありませんでした。著者らの結論は、1回の機会を逃しても習慣化に実質的な影響はない、というものです。
長い空白は話が別です。著者らは、運動を丸1週間休むと、その後の参加率が下がることを示した過去の研究を挙げています。1日休むのは問題ありませんが、ずるずると続く中断には早めに気づきたいところです。
それでも連続記録が途切れるとつらい理由
2023年の7つの研究では、途切れていない連続記録を見せられた人は、途切れた連続記録を見せられた人よりも、その後よく取り組みました。実際にどう行動していたかには関係ありません。途切れたことを自分のせいだと感じた人ほど取り組みの落ち込みは大きく、連続記録を修復できる場合は小さくなりました。
ダイエットの研究にも、似たパターンが報告されています。一度つまずいたと思うと、その日の残りはどうでもよくなってしまう人がいるのです。いわゆる「どうにでもなれ効果(what-the-hell effect)」です。1日できなかったことが問題になるのは、それが2日になったときだけです。
あらかじめ決めた余裕が役に立つ
- 緊急用の予備:少しだけスキップが認められた目標のほうが好まれ、粘り強さも高まりました。
- 復帰に報酬を:61,293人のジム会員を対象に54のプログラムを検証したメガスタディでは、最も成果が高かったのは、トレーニングを休んだあとに戻ってきた人に小さな報酬を与えるプログラムでした。
- 新たなスタート:ジムに行く確率は、週の始め(+33.4%)、月の始め(+14.4%)、学期の始め(+47.1%)に高くなりました。月曜日を待つ必要はありませんが、月曜日が再スタートのきっかけになるなら、うまく使いましょう。
1日できなかったあとにすること
- 次のいつものタイミングで、小さめでもいいので習慣を行いましょう。目的は、きっかけと行動のつながりを保つことです。
- 翌日に倍の量をこなして埋め合わせようとせず、いつもどおりに戻りましょう。
- 忙しい日が来るとわかっているなら、不意に習慣を途切れさせるのではなく、前もってスキップを予定しておきましょう。
- 1日ではなく、1か月を見ましょう。空白が1日、チェックが29日のカレンダーは、習慣が身につきつつある証拠です。
Habiterでの、できなかった日の扱い
その日が終わるまで、連続記録が途切れることはありません。習慣を行ったのにチェックし忘れた場合は、あとからその日を入力できます。無料プランでは5日前まで、Proなら過去のどの日でもさかのぼれます。習慣は特定の曜日や数日ごとに予定できるので、休息日ができなかった日として数えられることはありません。
ストリークフリーズを使えば、連続記録を失わずに予定していた日をスキップできます。前述の「緊急用の予備」をアプリに組み込んだもので、無料プランでは月に2回以上、Proなら無制限に使えます。さらにProでは復帰プランも使え、しばらくできなかったあとにどう再開するかを前もって決めておけます。Habiterは私たちが開発しているアプリです。
出典
- Lally, van Jaarsveld, Potts & Wardle (2010), How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology 40(6) — doi.org
- Silverman & Barasch (2023), On or off track: how (broken) streaks affect consumer decisions. Journal of Consumer Research 49(6) (abstract) — doi.org
- Sharif & Shu (2017), Nudging persistence after failure through emergency reserves. Journal of Marketing Research 54(3) (abstract) — doi.org
- Milkman et al. (2021), Megastudies improve the impact of applied behavioural science. Nature 600 (abstract) — doi.org
- Dai, Milkman & Riis (2014), The fresh start effect: temporal landmarks motivate aspirational behavior. Management Science 60(10) — doi.org
- Gardner, Lally & Wardle (2012), Making health habitual: the psychology of 'habit-formation' and general practice. British Journal of General Practice 62(605) — doi.org